広辞苑に載った浜松忍冬酒

家康公が愛した浜松忍冬酒

 

「堪忍は無事長久の基 何があっても耐え忍ぶことを覚え  決して怒りを外に表すなかれ」 

 家康公の名言ですが健康長寿を全うした要因の一つに挙げられるのが薬味酒「浜松忍冬酒」です。浜納豆と並ぶ浜松を代表する食文化遺産の一つで、この家康公と忍冬酒のお話を申し上げます。

 健康おたくの家康公が薬草を煎じるシーンが、テレビや映画でも度々出てきます。当然、漢方薬・忍冬(スイカズラ)が持つ効能は熟知していたことでしょう。

 さて、朝鮮半島、琉球諸島、直接大陸からと、3つのルートで蒸留技術が日本に伝わったのは、16世紀中頃と言われています。

蒸留することで高アルコールが造られ、結果として酒の腐敗は免れることになりました。

 ここで注目して頂きたい事は、果実酒・薬味酒作りに使われるホワイトリカー。これこそ蒸留酒で、主な原料は米・麦・ブドウ。出来上がりは全て無色透明、ゆえにホワイトリカーという名がつけられました。

 

 

日本酒・ビール・ワイン等の醸造酒よりもアルコール度数が高く、そのため保存性も良い事は当然ですが、それ以上の役割があります。薬草を煎じる場合の欠点は、火入れによる成分変化です。

それに比べホワイトリカーの場合、水の分子より小さいアルコール分子が、ゆっくりと果実や薬草の成分を抽出します。つまり最高のエキス抽出方法です。

 

浜松忍冬酒は、日本酒を蒸留した米焼酎を使って忍冬のエキスを十二分に抽出しました。